米原保線所
北陸本線坂田方の踏切から米原駅の方を見てみます。奥に見える313系電車の辺りが留置線になっていて、上には東海道新幹線の高架橋が通っています。そして、右の米原保線所には保線機械が何台か留置されています。
保線基地の中には見たこともないような設備が。構造は転車台に似ていますが、円形ではなく扇を2つ重ねたような形になっているため1周回ることが出来ません。
写真奥に伸びる在来線との連絡線と保線基地構内の線路が約70°の角度で交わっているため、通常の分岐器では接続することができません。そこでこのような特殊設備が作られたようです。
設置目的から言えば、転車台というよりトラバーサーの方が近いかもしれません。都電荒川車庫のトラバーサーも、用地の制約から導入されています。
もちろん転車台もどきの形態でも大変珍しい設備なのですが、加えて線路がすべて三線軌条になっています。もちろん三線軌条の転車台ですら国内ではほとんど例がありません。写真手前はレールで賑やかです。
最も、会社が分割されていなかった国鉄時代ならいざ知らず、米原駅在来線がJR西日本管轄になってしまった現在ではこの連絡線は使用されていないようです。現在JR東海でレール輸送に使われるキヤ97形気動車は固定編成のため、ここに乗り入れることもできません。
敷地に沿って米原駅の方へ進んでいきます。構内には様々な保線車両が休んでいます。
こちらの車両はパンタグラフを装備しています。動力自体はディーゼルエンジンなので、架線点検用だと思います。
構内には巨大なバラストホッパーがありました。ここで砕石を車両に積み、周辺の線路に運んでいます。
ここまで柵が高く線路を見ることができませんでしたが、バラストホッパーのすぐ先でようやく構内配線を写真に収めることができました。日本の大動脈たる東海道新幹線を文字通り「下から支えて」いる保線基地とあって、規模がかなり大きくなっています。
構内には数多くの留置線があり、バラスト運搬や道床つき固めに使われる機械が深夜の出動を待っていました。
保線基地はまだまだ続きます。こちらの区画は日常的な保守を担当しているようです。バラストをつき固めるマルチプルタイタンパーやレール積み込み設備がありました。
営業用の2軸貨車が一掃されて数年経ちますが、2軸の保線車両はまだまだ活躍しているようです。
最後に、駅付近の跨線橋から写真を撮りました。保線基地への線路は米原駅の上り副々本線から分岐し、左右に猛烈な急カーブを描いて構内へと入っていきます。もう少しマシな線形があるような気もするのですが……。
今回の特集では、後半を線路の話題少なめでお届けしました。線路が見えなかったので仕方ないですね……(越中島貨物駅の時も同じようなことをした気がします)。次回はもう少し配線鉄らしい記事を書きたいと思います。