三重県の四日市駅周辺には石油やセメントなどを扱う複数の専用線が接続している。今回は四日市駅から塩浜駅、南四日市駅の配線を調査した。
四日市地区の貨物線は四日市駅、旧四日市港駅(現在は四日市駅構内扱)、塩浜駅、南四日市駅の4つの部分に分けられます。それぞれの調査時点の配線略図がこちらになります。
四日市駅はコンテナ貨物を扱っていて、周辺で運用されるタンク貨車などの検修施設もあります。日本唯一の鉄道可動橋として知られる末広可動橋を渡り、旧四日市港駅(1985年廃止・四日市駅構内扱い)に向かう側線もあります。
四日市駅からは関西本線の支線が塩浜駅まで伸びています。塩浜駅は近鉄海山道駅隣と近鉄塩浜駅隣の2つの側線群を持っていましたが、前者は接続する専用線が全廃されたためあらかた撤去されてしまいました。
南四日市駅にはJSR四日市工場専用線があり、コンテナでSBRが輸送されています。途中には全国でも珍しいスプリングポイントの脱線分岐器が存在します。
四日市周辺貨物線1 四日市駅
Googleマップで地図を見る四日市駅到着 12:55
ムーンライトながらで名古屋入りしたあと一旦大阪へ向かい、関西本線経由で四日市につきました。駅にはたくさんの貨車やDD51が停まっていますが、今日は写真もそこそこに改札へ向かうことにします。なにしろ、日没までに四日市の全ての専用線を攻略しなければならないのです……。
今回の調査では、四日市市営の「こにゅうどうレンタサイクル」を利用しました。午後に行ったにもかかわらず、ちょうど返却されてきた三段変速付きの1台を入手することができました。自転車を漕ぐのに疲れた時、これは本当に助かりました。
駅前のコンビニで飲み物を調達してから、まず駅北方のコスモ石油四日市製油所専用線へと向かいます。
駅北側(浜田踏切) 13:18
専用線の前にまずは、駅北側(富田浜側)の「浜田踏切」から駅の線路配線を見てみます。
駅東側には着発線やコンテナホーム、石油貨車の留置線が広がっています。四日市周辺は石油会社の専用線が2つあり、多くの石油貨物列車が名古屋周辺を初め松本や長野までガソリンなどを運んでいます。今回の訪問は真夏でしたが、留置線には来る冬に備えてたくさんのタンク貨車が待機していました。中央部の建屋では貨車の検査を行っているようです。
西側にも着発線や留置線があります。東側のそれが石油貨車で埋まっているのに対し、こちらは三岐鉄道東藤原駅からやってくるセメント貨車が中心のようでした。また、写真奥側となる南四日市方には保線基地があります。
反対側(富田浜方)を向くと線路が3本並んでいます。左側の2線が複線の関西本線で、右側の非電化の1線がコスモ石油専用線に通じる通路線です。コスモ石油専用線から貨車が駅構内に誤進入しないよう安全側線も設置されています。
コスモ石油四日市製油所専用線は、四日市駅から400mほど本線と並走し、東に曲がって製油所内に入ります。製油所内で分かれる線路群をハイアングルで無理やり撮影したのが、次の写真です。
これでは何がなんだか分かりません。仕方がないので線路沿いに北上し、製油所北側に向かうことにしました。
コスモ石油専用線北側 13:38
製油所の北側は河川敷に面していました。ここもコンクリート塀が邪魔でしたが、なんとか撮影出来たのが次の写真です。
工場内で、線路は大きく分けて東西2つに分かれます。西側の線路群は本線と並行に広がっていて、西から順に収受線3本、荷役線2本、留置線2本があります。収受線と留置線には機回し用のポイントが設けられていました。
こちらは荷役線と留置線です。荷役線は左の写真で、荷役設備上部にあるパイプからタンク車に石油を流し込みます。製油所らしく、十数メートルごとに消火器が設置されています。
留置線にはタンク車が数両留置されています。屋根のようなものがありますが、荷役設備ではないようです。写真手前にある建屋はスイッチャーの車庫でしょうか。
東側の線路群は本線とは平行ではなく、北東方向を向いています。こちらは西から順に荷役線2本、留置線2本というレイアウトです。機回し用のポイントはみられません。
※ 写真は全て踏切または公道などから撮影。
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