三菱製紙中川工場専用線は、常磐線金町駅から分岐していた専用線である。工場で生産された紙製品を有蓋車により発送していたが、工場閉鎖に伴い2003年をもって廃止された。工場跡地は東京理科大学葛飾キャンパスとなっている。
Googleマップで地図を見る金町駅ホーム AM6:40
金町駅には駅ホーム南側に着発線群、北部に側線群がある。南側の着発線群は現役で貨物列車の時間調整に使用されているが、北側の非電化の側線が廃止された三菱製紙中川工場専用線の収受線跡である。現役当時専用線に向かう貨車は、南側の着発線群から亀有方にスイッチバックした後、緩行線と平面交差して収受線に入線したようである。驚くべきことに、調査時点でもこのための線路は当時のまま残されている(詳細は配線略図を参照)。ただし、入換信号機は白い×印で使用停止のうえ、消灯している(因みに2年前に訪れた時にはまだ電気は通っていた記憶がある)
北側の側線は旧収受線2線と松戸方の旧機折線で構成されていて、亀有方の引上線から入線した貨車が、スイッチバックして専用線へ向かう配線である。専用線跡は安全側線の先で大きく右にカーブしている。なお、架線は緩行線本線との平面交差部で途切れている。
イトーヨーカドー脇踏切 AM8:25
2時間ほどの撮り鉄の後、駅を出て専用線跡へ向かう。専用線跡は右に急カーブしながら、イトーヨーカドーと駐車場との間を通り抜けている。そのため、イトーヨーカドーの建物は奇妙に曲がった何とも言えない形をしている。路盤跡のバラストはこの辺りまで伸びているが、この先は全くの更地となっている。
線路跡の更地では何らかの工事が行われていた。ここも道路に転用されるのだろうか。そしたらまた来てみたいものだ。
その先の踏切 AM8:30
線路跡の更地では何らかの工事が行われていた。ここも道路に転用されるのだろうか。そしたらまた来てみたいものだ。
さすがに更地を行くわけにもいかないので、一般道を次の踏切まで迂回する。こちらも踏切の痕跡は皆無である。
線路跡と道路の交差部から見る。バラストは撤去されているが、このカーブの雰囲気は鉄道そのものだ。建築限界にぶつかりそうなアパートの柵は、専用線廃止後の設置だろう。
中川工場跡には、東京理科大学が建っている。当然ながら、大学構内に専用線の痕跡は皆無だ。
ここからは松戸車両センターへ徒歩で向かうのだが、その前に偶然興味深いものを見た。
謎の建物 AM8:30
薄暗いガード下を抜けて、駅の反対側に出たのだが、しばらく線路沿いに歩くと白い建物が見えてきた。
現在はJRの関連会社のビルのようだが、ちょうどこの辺りには貨物ホーム跡の保線基地がある。国土地理院HPの航空写真によると、貨物取扱当時の建物らしい。シャッターがあるため貨物取扱を行っていたのでは、と思ったが、貨物設備は現在のロータリー付近なので違うようだ。建物の構造からして、事務所や宿舎として使われていたのだろうか。いずれにしても、貨物取扱当時の貴重な名残である。
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