はじめに
JR各社では、設備維持経費削減や慢性的な人員不足の対応のために不要な設備や利用頻度の低い設備の撤去を進めています。本記事では市販の時刻表に基づき、2025年3月ダイヤ改正で定期旅客列車どうしの列車交換がなくなる交換駅(以下、信号場も含む)の一覧をまとめます。なお、昨年以前の記事は下記リンクよりご覧ください。
昨年の記事公開後の動きとしては、ダイヤ改正直後に鹿島線延方駅の交換設備が使用停止され、信号機の使用停止や使用しない線路の架線撤去などが行われました。また、内房線太海駅、気仙沼線陸前豊里駅で交換設備が使用停止・撤去されています。JR北海道では、運行管理システム更新にあわせて宗谷本線佐久駅・抜海駅の交換設備が撤去されました。
昨年の記事と同様、下記に挙げたほかにも列車交換が廃止される駅がある可能性もありますのでご了承ください(特に、貨物列車や特急列車の運行線区では正確な調査に限界があります。お気づきの方はページ下部のフォームよりお寄せいただけますと幸いです)。また、定期旅客列車の列車交換が廃止されても臨時列車や回送列車、貨物列車、ダイヤ乱れ時の運転整理のためなどに交換設備が残される可能性もあり、ただちにこれらの駅で交換設備が撤去されるとは必ずしも言えません。
JR北海道
貨物列車が多数運転されている函館本線長万部以南はダイヤを調査しておりません。
石勝線 十三里信号場・東オサワ信号場
石勝線では昨年に引き続き動きがありました。特急列車の細かい時間変更やH100形導入に伴う普通列車のスピードアップで数分単位の時刻変更があり、列車交換の場所を細かく変更させているようです。
楓信号場・占冠駅・ホロカ信号場での交換が復活した一方で、十三里信号場・東オサワ信号場で列車交換がなくなりました。また、昨年に引き続き、滝ノ上信号場・滝ノ沢信号場・新狩勝信号場で列車交換が設定されていません。
※特急列車中心の区間であり、ダイヤ推定に誤りがあったらすみません。また貨物列車の交換で使用されている可能性もあります。
根室本線 東滝川駅・帯広貨物駅・東釧路駅・上尾幌駅
2025年3月ダイヤ改正で廃止される東滝川駅は、定期旅客列車の列車交換にも使用されない模様です。貨物列車の交換に使用されない場合は、信号場化されることもなく廃止される可能性があります。
また、根室本線と釧網本線が分岐する東釧路駅や帯広貨物駅・上尾幌駅でも定期旅客列車の列車交換がなくなります。一方、厚岸駅で列車交換が設定されました。
2024年以前から列車交換がない駅
宗谷本線佐久駅・抜海駅の交換設備は廃止されました(抜海駅はその後駅自体廃止)。一方、石北本線愛別駅で列車交換が設定されました。
- 函館本線 熱郛駅・目名駅
- 室蘭本線 志文駅
- 石勝線 滝ノ上信号場・滝ノ沢信号場・新狩勝信号場(いずれも貨物列車の交換に使用している可能性あり)
- 根室本線 茂尻駅・野花南駅(臨時列車の交換あり)・島ノ下信号場(臨時列車の交換あり)・札内駅・豊頃駅(ただし以上3駅は貨物列車の交換に使用している可能性あり)・落石駅
- 富良野線 中富良野駅(臨時列車の交換あり)
- 釧網本線 緑駅
- 石北本線 中越信号場・奥白滝信号場・相内駅(ただし以上5駅は臨時貨物列車の交換に使用している可能性あり)
- 宗谷本線 和寒駅(ただし臨時列車の交換に使用)・天塩中川駅(ただし臨時列車の交換に使用)・兜沼駅・南稚内駅(ただし、回送列車の交換に使用しているらしい)
JR東日本
貨物列車が多数運行されている羽越本線・奥羽本線(秋田~青森間)・津軽線はダイヤを調査しておりませんが、これらの区間でも交換設備が使用されていない駅が存在するようです。
大糸線 信濃木崎駅・神城駅
特急列車の運行形態変更などに伴うダイヤ改正で各列車の時刻が変更され、両駅での列車交換が設定されなくなりました。
なお、信濃森上駅は以前より列車交換がなく交換設備が使用停止されていますが、今改正で白馬~南小谷間に同時に複数の列車が在線する時間帯がなくなり、同駅は自動閉塞式(特殊)の閉塞区間境界としての役割をも失ったことになります。
※2025年3月9日本項追加
水郡線 下小川駅・東館駅
下小川駅は1日3回、東館駅は1日1回普通列車の交換がありましたが、時刻変更に伴い列車交換がなくなりました。
大船渡線 陸中門崎駅・摺沢駅・折壁駅
減便・時刻変更に伴い、陸中門崎駅・摺沢駅・折壁駅で列車交換が設定されなくなりました。ただし、摺沢駅のみ3月22日運転の快速スーパードラゴンと普通列車の交換があります。
ダイヤ改正後も引き続き使用される千厩駅などの交換駅では信号機を更新するような動きがあり、運転保安設備の改修等に伴う変更の可能性があります。
山田線 茂市駅
夕方時間帯の減便に伴い列車交換がなくなりました。ただし、始終着列車の設定があります。
2024年以前から列車交換がない駅
内房線太海駅では交換設備が撤去されました。一方、内房線竹岡駅、常磐線末続駅で列車交換が復活しました。
奥羽本線横堀駅は、2025年4月の新庄~院内間運転再開に伴い列車交換が復活する予定です。
- 外房線 鵜原駅
- 鹿島線 延方駅(交換設備使用停止)
- 両毛線 下新田信号場
- 相模線 厚木駅(ただし、回送列車が列車交換に使用しているらしい)
- 日光線 今市駅
- 中央本線 小野駅
- 越後線 分水駅(ただし、臨時列車の交換あり)
- 大糸線 北松本駅、信濃森上駅(交換設備使用停止)
- 水郡線 磐城棚倉駅(ただし、始終着列車の設定あり)
- 磐越西線 磐梯熱海駅(ただし、始終着列車の設定あり)・川桁駅・翁島駅・更科信号場(臨時列車の交換に使用している可能性あり)・東長原駅
- 磐越東線 磐城常葉駅・要田駅・舞木駅
- 仙山線 奥新川駅
- 石巻線 渡波駅
- 気仙沼線 陸前豊里駅(交換設備使用停止)
- 北上線 和賀仙人駅(ただし、臨時列車の交換あり)・ほっとゆだ駅(ただし、始終着列車の設定あり)
- 陸羽東線 池月駅
- 奥羽本線 飯詰駅
JR東海
2025年3月ダイヤ改正で列車交換がなくなる駅は存在しません。
JR西日本
伯備線 岸本駅
普通列車の時刻変更に伴い列車交換がなくなりました。ただし、特急列車の多い線区のためダイヤ推定に誤りがある可能性があります。
※列車交換はないものの、特急列車が普通列車を退避しているようです。(2025年3月9日追記)
山陰本線 長門古市駅・人丸駅・滝部駅・長門二見駅
山陰本線長門市~小串間は2023年の大雨で不通となっていましたが、2024年6月より長門市~人丸間および滝部~小串間で列車の運行が再開しました。この際に運転再開区間のうち4駅で列車交換が設定されませんでした。
2024年以前から列車交換がない駅
- 関西本線 佐那具駅
- 紀勢本線 双子山信号場(交換設備使用停止)
- 桜井線 京終駅(ただし、定期回送列車および臨時列車の交換に使用)
- 芸備線 東城駅(交換設備使用停止 ただし、折返し列車あり)、備後西城駅(ただし、臨時列車の折返しあり)
- 因美線 那岐駅(ただし、折返し列車あり)
- 呉線 忠海駅
- 岩徳線 玖珂駅(交換設備使用停止)
- 宇部線 岐波駅
- 小野田線 目出駅
- 山陰本線 滝山信号場(交換設備使用停止)
- 木次線 出雲坂根駅
JR四国
2023年3月改正のダイヤ、2024年3月改正のダイヤでは全交換駅で列車交換があったJR四国ですが、今改正で列車交換のない交換駅が複数発生することになりました。
土讃線 新改駅
普通列車の時刻変更に伴い列車交換がなくなりました。ただしスイッチバック式配線のため、棒線化するにはホーム移設を含む大がかりな工事が必要となります。ただし、普通列車が特急列車を退避するダイヤが組まれています。(2025年3月9日加筆)
予土線 近永駅・吉野生駅・土佐大正駅
パターンダイヤ化に伴い列車交換をする駅が北宇和島・川奥信号場のほかに江川崎駅・伊予宮野下駅のみとなりました。
高徳線 阿波大宮駅
こちらもパターンダイヤの導入に伴い列車交換がなくなりました。
※2025年3月9日追加
JR九州
2025年3月ダイヤ改正で列車交換がなくなる駅は存在しません。
2024年以前から列車交換がない駅
- 長崎本線 肥前七浦駅・里信号場・土井崎信号場・東諌早駅・肥前三川信号場
- 肥薩線 大隅横川駅(交換設備使用停止)
- 吉都線 高崎新田駅(交換設備使用停止)
- 日豊本線 上岡駅・直見駅・宗太郎駅
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