【未来の函館本線?】旅客ホームが撤去された木古内駅

【未来の函館本線?】旅客ホームが撤去された木古内駅

北海道新幹線開業前の木古内駅

木古内駅は北海道で最も南に位置する鉄道駅で、北海道新幹線海峡線道南いさりび鉄道線の3路線が乗り入れています。北海道新幹線開業前は海峡線のほか江差線(道南いさりび鉄道線に転換された函館方面及び、2014年5月に廃止された江差方面)が乗り入れていました。

木古内駅付近路線図
木古内駅付近路線図

木古内駅の配線は北海道新幹線の開業前後に大きく変化しています。新幹線開業前の2013年は、同駅は3面5線の配線でした。うち2面3線(1~3番線)が電化されていて特急「スーパー白鳥」「白鳥」、寝台特急「トワイライトエクスプレス」「北斗星」「カシオペア」、急行「はまなす」及び貨物列車の運行に使用され、非電化の1面2線(4・5番線)は有効長も短く江差線普通列車が発着していました。

木古内駅配線略図(2013年当時)
木古内駅配線略図(2013年当時)
木古内駅構内(北海道新幹線開業前)
木古内駅構内(北海道新幹線開業前)
木古内駅構内(北海道新幹線開業前)
非電化の普通列車用ホーム

江差線はATS-SN設置線区のため互いに進路を支障しうる列車の同時進入に安全側線が必要なことから、多くの線路に安全側線が設けられています。津軽海峡線の列車の多くが使用する1番線・2番線(図下側)の安全側線は乗越分岐器が使用されており、列車の乗り心地の向上に貢献しています。

構内には車両の留置線も設けられていました。わざわざ建屋を設けているあたり、冬の北海道の厳しい気候を連想させられます。訪問時は青函トンネル救援用として函館運輸所所属のDE10 1690号機(「SL函館大沼号」補機運用のため黒色塗装)が待機していました。

木古内駅構内(北海道新幹線開業前)
車両留置線
木古内駅構内(北海道新幹線開業前)
青函トンネル救援のため待機するDE10 1690号機

新幹線開業による配線変更

新幹線開業前後に、木古内駅まわりでは列車の運行形態が大きく変化しました。まず、2014年に江差線木古内~江差間が廃止されました。さらに、2016年には北海道新幹線が開業し、同時に江差線五稜郭~木古内間が道南いさりび鉄道に転換されました。これに伴い在来線の特急・寝台特急・急行は2015~16年にかけてすべて廃止され、青函トンネルを通過する在来線旅客列車は一部の団体専用列車を除き全廃されました。

新幹線開業を経た2019年9月現在の配線が下記です。

木古内駅配線略図(北海道新幹線開業後)
木古内駅配線略図(北海道新幹線開業後)
木古内駅構内(北海道新幹線開業後)
木古内駅構内(北海道新幹線開業後)

3本ある電化線路に面するホームが撤去され、非電化線路のホームのみが残されました。電化線路に面するホームは三セクの運行に不要な設備としてJR北海道が解体しています。ホームと駅のこ線橋を結ぶ階段も撤去され、こ線橋には開口部がふさがれた跡が残っています。

木古内駅構内(北海道新幹線開業後)
木古内駅こ線橋
木古内駅構内(北海道新幹線開業後)
白い壁はホームへの階段の跡である

新幹線開業後も、非電化の1面2線は道南いさりび鉄道線の列車のホームとして引き続き利用されています。乗り場の番号は4・5番線のままで、1~3番線が欠番となった格好です。

木古内駅構内(北海道新幹線開業後)
道南いさりび鉄道線ホーム
木古内駅構内(北海道新幹線開業後)
番号は4・5番線のまま

北海道新幹線は現在、札幌までの延伸工事が進められています。開業の際は函館本線函館~小樽間が経営分離される予定ですが、長万部~小樽間を三セクで維持した場合の営業係数は1599にものぼり長万部町が旅客営業の廃止の方向で動いているなど並行在来線の旅客営業が維持されるかどうか不透明な状況になっています。旅客ホームが撤去された木古内駅の1~3番線が、北海道道南地方の鉄道の未来を象徴しているように思えてなりません。

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